建築概要
□件名/竣工年月:黒天井の家/2013年8月
□所在地/用途地域等:山口県/
□延床面積/敷地面積:100.75㎡/409.12㎡
□構造/階数:木造軸組構造/地上1階
□設計期間/監理期間:2011.09~2013.01/2013.02~2013.08
□施工:三ツ矢建設有限会社/担当:玉木 淳一
□写真撮影:kaya+architects studio
計画概要
第一線を退かれ、お子様たちも独立された後に新築を考えられたご夫婦のお住まいです。人生経験の豊富さゆえ、必要なものと不要なのも分別が明確な判断をお持ちで、非常に簡潔な住宅を設計させていただくことができました。外壁に焼き杉を使用し、内部の天井にも焼き杉を用い、落ち着いたモダンな空間となりました。水回りを除いて全体をワンルームとし、来客等の日常的な変化に対応し得るように可動間仕切りを用いた可変的な空間としています。
周囲はミニ再開発で分譲住宅化が進み緑も失われつつある環境にありますが、長年育てた樹木を出来るだけ残しながら、その中に佇むような形態として計画しています。
detail
[開口部の庇は重要なデザイン要素となる]
庇は小雨を防ぎ、建具を汚れや腐食から守り、日差しをコントロールし、長い目で見るとコスト削減、省エネを実現しているとも云えるのではないでしょうか。開口部にあとから庇を付けることも可能ですが重要なデザインとして取込むことも重要です。
[壁をくりぬいてできる、庇のある開口部]
外壁に窓を取リ付けるのではなく、外壁を大きくくりぬいて出来る空間全体が開口部のような表現として、庇がありながら和風にかたよらない意匠としています。くりぬいて出来た庇は小雨を防ぎ、建具を汚れや腐食から守り、日差しをコントロールします。
[エントランスから連続する黒天井]
近年、店舗やショールーム、レストランで、黒い天井をしばしば見かけることも多くなってきました。住宅ではそれほど大きくない空間に使用すると暗くなり、圧迫感も生じるため、中々採用に至りませんでした。が、この住宅は平屋100m2の80%ほどをワンルームで計画できたため、思い切って採用しました。片流れで天井に高低の変化もあり、暗さや圧迫感を落ち着きとしてとらえていただくことができました。